『 三角関係 』

「タケル・・ちょっといいか?」

ナオトが呼び止めた。

「あぁ」

ナオトの様子がいつもと違うとは思いながら、タケルは後を追った。








人気の無い通路で、不意にナオトはタケルを抱きしめ・・

「ん・・」

唇を重ねた。

タケルは意外な行動に驚きつつもナオトの舌を受け入れていた。

歯列をなぞられ、舌を絡みあう。

身体を押しのけようとした両腕はナオトの手に簡単に押さえられていた。

「ハ・・ァ・・」

解放された唇は色付いていて頬も染まっている。

「ナ・オト・・?」

自分を見つめる視線が恥ずかしくて、タケルは顔を背けた。

「タケル、俺・・ずっと前からお前の事・・」
「ナオト!」

抑えられていた手を振り払い、タケルが横に逃げる、

それを背後から抱きしめるナオト。

ビクッとタケルの身体が硬直した。



ナオトの事は嫌いではない。





   だが・・





タケルは自分を抱きしめているナオトの手に、自分の手を重ねた。

「女々しいって思われるかもしれないが、俺は・・お前が・・」

タケルにはナオトの気持ちが痛いほどに伝わってくる。

超能力の所為か・・それとも。




その様子を見ている人影。
その拳が強く握られる。




緊急を告げる呼び出しに二人は何事も無かったかのように長官のもとへ急いだ。

が、そこには長官の姿はなく・・。

隊長のケンジが立っていた。

「隊長?」

ナオトが何事かと問う表情で呼びかけた。

「ナオト・・タケルが好きか?」
「な・何を?」

タケルに歩み寄るケンジ。

その手はタケルの頬に添えられる。

頬を朱に染めるタケルに、ケンジはゆっくりと唇を重ねた。

「タ・タケル?」

目の前で起こっている状況に、ナオトはただそれを見ているだけ。

「タケルは俺のものだ」

ケンジが冷ややかな視線と共にナオトに告げる。

頬に添えていた手はタケルの隊服を脱がせる為に・・ファスナーを下ろし始めていた。

「た・隊長・・」

ナオトが見ていることに抵抗を感じているタケルが、懇願するような視線でケンジを見つめる。

「隊長だからって、それ・・!」

ナオトがタケルの手をとり、引き寄せた。

「おいおい。俺はタケルの望むようにしてやっているだけだぞ」

ケンジは取り合わない。

尚もタケルの胸元に手を滑り込ませる。

「タケル!お前、いいのか?」
「・・お・俺は・・あぅ!」

胸の突起が強く摘まれ、タケルの表情が苦痛に包まれた。

ゾクリとする感覚が背筋を遡る。

ケンジに見つめられている事が、更に敏感な感覚を刺激した。

「タケル。ナオトに見せてやったらどうだ?」

耳朶に唇を寄せ、舌先を首筋に這わせるケンジ。

「ぁ・・ハァ・・・で・も・・ッ!」

背後から伸びた手はタケルの敏感な肌を滑り降り、タケル自身に添えられている。

「ナオト、タケルはとっても敏感なんだよ」

見せ付けるように・・

ケンジはタケル自身に添えている手を上下させた。

先端からは透明な液体が溢れ、淫らな音を立てる。

ナオトが唾を飲み込み、それはゴクリと音を立てた。

「ぁ・・ヤ・・ァ・・ナ・オト・・見ない・・で・」

吐息に混じり懇願するタケルの姿は、まるでナオトを誘っているようにも見える。

「ほら・・」
「ヒッ!」

すっかり肌蹴た姿態には汗が滲んでいる。

「タケル。いつものように奉仕しろ」
「ア・・は・ぃ・」

跪き、ケンジ自身を口に含むタケル。

クチュクチュと音を立て、艶かしい舌が上下する。

「いいぞ、タケル。ナオトにお前の恥ずかしい所を見せてやれ」

その言葉に一瞬・・動きが止まった。

だが、ケンジに奉仕しながら、タケルは自身の門に指を滑り込ませる。

「ん・・んん」

ケンジの猛ったものを口に含み、舌を絡ませる。

その姿にナオトは己のものが硬くなり痛みを伴っている事に気が付いた。

タケルに同情するよりも、ケンジが羨ましいという気持ちが上回っている。

その様子にケンジの口端が僅かにあがった。

「タケル。ナオトにも奉仕してやれよ。お前の欲しいものをやる」
「で・でも・・俺・・」
「ナオトが可哀想だとは思わないのか?」

その言葉にナオトの頬が紅潮した。

「ナ・ナオト・・だ・出して・・」

快楽を求める欲求が身体を支配している。

火照った身体の疼きが抑えられない・・。

タケルは内なる欲情にナオト自身を口に含み、懸命に舌を絡ませた。

「タケル!ぁ・・はぁ・・」

ナオトの口から甘美な声が漏れ出した。

「だ・め・・だ・・ぁ・・ああ!」

ナオト自身から熱い液体が迸った。

その一滴も漏らすまいと、タケルが喉を鳴らし飲み込んでいく。

「ケ・ンジ・・もぅ・・」



欲しくてたまらない。

身体が燃えるように熱かった。


「アァアア!」

肉を裂かれるような痛みと同時に、熱く硬いものがタケルを貫いた。

両手をついて体制を支えてはいるが、その腕も震えている。

奥まで貫かれ、門まで引き抜かれる律動に、ただ歓喜の声を上げるタケル。

「ァ・・ハァ・・!・・ゃ・・ァア!」
「ナオト、タケルをもっと喜ばせてやろう」

タケルを抱えたままソファーに座ったケンジ。

上下に揺すられる、その身体に・・

ナオトは胸の突起を強く指で愛撫した。

「ヒッ!・・ぁ・・ヤァ!」

タケル自身の解放は許されていない。

ケンジが強く根本を握っているから・・。

怒張は限界を訴え痛みをもたらしていた。

吐息の漏れるタケルの唇に、ナオトが唇を重ねた。

先ほどよりも強く舌を絡ませ、口腔内を犯していく。

「んん・・むぅ・・」

息苦しさが門を締め付け、ケンジの快楽も昂った。

「タケル。解放してやるぞ」

最奥まで突き上げ、精を解放する。




      熱いものが迸った。




タケルの身体は何度か大きく痙攣し、意識はそこから解き放たれていた。

ただ、ケンジを飲み込んでいる内壁は小刻みに震えている。

「た・隊長・・」

ナオトが縋る瞳でケンジを見つめた。

「仕方ないな、お前は」

ズルリと自身を引き抜き、タケルの身体をナオトに預ける。


「ナ・オト・・?・・ぁ・・ゃ・ァア!」


閉じていない門に、ナオト自身が飲み込まれた。

「タケル!」

激しく貫くような律動に、タケルは悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げていた。

快楽の波が何度もタケルを飲み込み、打ち付ける。

淫らな音が部屋の中に響く。

助けを求めようと伸ばされたタケルの両手は、ケンジに押さえられていた。

開きっぱなしの口にケンジ自身が突き入れられる。

「んん・・」

内臓を押し上げられ、吐き気にも似た感覚と脊髄の真に響く刺激が快楽としてタケルを包んでいた。

「クッ!」

ドクドクと吐き出される精を受け止め、タケルは二人から解放された。

まだ呼吸もままならない。


「ぁ・・ぅ・・」

下半身に力が入らないタケルに、二人が手を貸すように差し出した。




「タケル、こんなにも汚れて・・」
「俺達が洗ってやる」




「ナオト、少しは遠慮をしろよ」
「・・隊長こそ、ズルイっすよ」




そう、始めから・・取り合うのではなく楽しめばいい。

タケルの鳴く声を、二人はこの後も存分に聞き入っていた・・。